1・スペシャルティコーヒーって?
現在、市場に出回っているコーヒーは、「スペシャルティコーヒー」「プレミアムコーヒー」「コマーシャルコーヒー」「それ以外のローグレードなコーヒー」と4種類にランク付けされています。
中でもスペシャルティコーヒーは世界の生産量のおよそ5%程度しかない希少品です。
では、「スペシャルティコーヒー」ってどんなコーヒー豆なのでしょうか?
日本スペシャルティコーヒー協会の定義ではこのようになっています。
1.消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。
2.風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。
3.カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階に於いて一貫した体制・工程で品質管理が徹底している事が必須である。
とあり、品質管理が徹底され、素晴らしい風味を持ったコーヒーだという事が分かります。
しかしながら、まだまだ各国でスペシャルティコーヒーの基準が統一されていないのが現状の様です。
それでは、以前のコーヒー産業はどうだったのでしょうか?
コーヒーは世界各国で生産されていますが、これまでは、生産国が分かる程度で、誰がどのような方法で栽培し、どのように加工処理され流通さてたのかも分からないうえに、品質のよい豆もそうではない豆もごちゃ混ぜにされて取引されてきました。
これが今でいうコマーシャルコーヒーのカテゴリーにあたります。
身近でいえば、缶コーヒーやインスタントコーヒーがそうです。
しかし、80年代以降、安全性、品質管理の問題とともに、生産者に適正な報酬が支払われない流通システムなどの倫理的な観点から、生産国、生産地域、生産者、加工処理方法、流通経路、などの「透明性」のあるコーヒー豆が求められる様になってきました。
現在では、優れた風味を持つコーヒーを国際的に評価する「カップ・オブ・エクセレンス」( 以降COE)の基準が世界的に
運用されるようになり、
このCOEの基準で80点以上の評価を得たコーヒー豆だけが、
高品質な「スペシャルティコーヒー」として取引きされています。
また、生産者に品質に見合った報酬が支払われる様になりました。生産者もよりよい環境で高品質なコーヒー豆を栽培し、利益を得ようと努力するようになり、近年、コーヒーの品質は格段に良くなってきたと言えます。
2・コーヒーは果物です。
コーヒーは豆と呼ばれていますが、実はコーヒーの木になるコーヒーチェリーと呼ばれる果実の種なのをご存知ですか?
そう、コーヒーは果物なのです。
コーヒーで「酸味」という言葉が使われる時、そのほとんどがネガティブな意味で使われてきました。
「酸っぱい=まずいコーヒー」「苦い=美味いコーヒー」と連想するのではないでしょうか?
この「酸っぱい」コーヒーは、鮮度が落ち、品質の悪い豆の腐敗し酸化したものである事がほとんどで、コーヒー本来の酸味ではありません。
COEの8つの評価基準フォームに「フルーツのような」「生き生きとした」「洗練された」などの「酸味」の項目があるように、いい酸味は「おいしいコーヒー」の重要な要素であることがわかります。
そもそもコーヒー豆というのは「果実の種」ですから、
「パインのような」「ベリーのような」といった具合に
フルーツに例えた表現が、プラスの要素で使われている事は
自然な事なのです。
3・シングルオリジンで楽しむ。
これまでコーヒーを味わう時、一種類の豆では足りない風味を補う目的などで様々な豆をブレンドし、狙った味を表現してきました。
しかし現在、単一農園の、どこの畑で、何年に収穫された、どの品種の、どういう処理で精製されたコーヒー豆なのかという様に、コーヒーもワインのように語られるようになってきました。
そもそも、COEなどの国際評価の対象となるのは農園ごとの豆(シングルオリジン)ですから、それを味わう消費者もストレートで味わいたいと思うのは当然かもしれません。
ワインのように、その年に、その土地、その風土が育んだ個性豊かなコーヒー豆を味わうことが出来るなんて、とても素晴らしいことです。
4・コーヒーを日常に。
trailcoffeeでは、「コーヒーを日常に」の思いを胸に、世界各国のすばらしいシングルオリジン・スペシャルティコーヒーを紹介していきます。
ぜひ、様々な産地のコーヒーをいろんな抽出方法で
飲み比べて、自分好みの農園、コーヒーを見つけてください。
それでは、素晴らしいコーヒーライフを!